ローンと融資ってどう違うの?不動産から考える両者の特徴

融資とローンは何か違うのでしょうか。今回は不動産の観点から、両者の違いについて考えていきます。不動産とは、住宅やマンションといった住居と土地に分けられます。ここでは、土地ではなく、人が住む家全般についてを焦点にして考えます。
融資の観点から見た場合、不動産に要求されるのはどれだけの利益をあげることができるかという一点に尽きます。融資はあくまで利益を求めるために行われる行為だからです。一方、ローンは利益は関係ありません。ローンを組むときに重要になってくるのは、返済する経済力があるかどうかという点です。不動産をローンによって手に入れた場合、その不動産は購入した本人のものになりますが、その不動産自体に収益性がありません。そのため、ローン契約者に不動産価値以外の面で返済能力があるかどうかが重要になるのです。この不動産が価値を持つのは、融資を受けるときの担保としての役割程度でしかありません。そのため、融資の方が資産価値の審査が厳しくなります。
さて、話が少し変わりますが、住宅ローンのタイプについても少し触れておきます。住宅ローンには、かつては公的融資と民間住宅ローンの2種類がありました。公的融資とは住宅金融公庫融資と呼ばれていたもので、2007年3月に廃止されるまで住宅ローンの代表的なものでした。それ以降、民間の住宅ローンが優位に立ち、現在に至っています。
不動産を購入するときには当然ですが、金利の低いローンを組んだほうが得になります。ローンであろうと融資であろうとそれは変わりません。加えて、金利は変動金利ではなく、固定金利を利用すべきです。景気が不安定である場合、金利が急上昇したりすると、返済額が一気に増えて安定した計画が立てられなくなるためです。融資の場合も、利益の計算の他に資産価値がころころと変わってしまうと、管理する手間が増えるだけで、いいことがあまりありません。不動産に関わる場合は、いずれの場合でも安定性を第一に考えるのが賢い選択となりうるのです。

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