コミットメントラインとは
企業の資金調達の方法として、従来は「バイラテラル方式」が一般的でした。これは、融資する金融機関と融資を受ける企業が相対して契約を交わす形のものです。融資を受けようとする企業のメインバンクからの融資です。しかし、この方式のデメリットとして、不良債権問題がありました。バブル崩壊の頃は、この不良債権問題が金融機関を脅かすものであることを、マスコミは大きく報じていました。
そうしたデメリットに対する対策として、最近では、複数の金融機関が一つの契約を担当する「シンジケート方式」が取られることも増えてきています。「コミットメントライン」は、シンジケートローンの契約の形態のひとつで、設備投資などの長期的な融資とは別に、比較的短期の融資に使われています。
「コミットメントライン」は、「シンジケート団」と融資を受ける側が、相談の上、設定した期間、融資枠の範囲内での融資実行を約束する契約です。いわば、「近い将来の融資の予約」のことです。最初の契約の時のみの手続きで、期間内の範囲内の融資が受けられるので、とても機動性があります。
経常運転資金の安定的な資金の確保ができ、経営に精神的ゆとりが持てます。また、経営環境が不安定で思いがけない、アクシデントが起きた場合にも、こうした経済的なゆとりがあれば、即、対応ができます。
「シンジケート方式」は、これまでの方式とは違った特性があります。これは、1999年に「特定融資枠契約に関する法律」が制定され、自由度の高い融資形態が可能となった背景があります。この法律が制定されたことにより、いろいろな面で企業の資金調達はしやすくなってきました。
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