本来は微妙に違いがある『融資』と『融通』の意味

現在では、融資と融通は資金繰りなどに関してほぼ同じ意味で使われていますが、もともとは『融通』とは『流通する』という意味合いがあり、通過などの交換などに対して使われる言葉でした。通貨スワップ協定など、外国との交流、貿易などに使われる言葉だったようです。各国の政府が市場の安定の為に、必要な外貨が不足した国に対して、一時的にその国の通貨と引き換えに他の国が外貨を貸し出すことで、経済の安定を保っていかれるようにしている仕組みを融通といいます。
また、農業や漁業などが天災などにより、損失を受けた場合などに、国が利子補給などを行うことで資金を融通する。などというものが『融通』です。農業改良資金融通法や漁業近代化資金融通法などという法律も存在します。
また、融通手形というものもあり、融通手形にも種類がいくつかあるようですが、これは本当に最後の手段として使うことが多いようで、きちんと把握をしてから利用することをおすすめします。
それに比べ『融資』とは資金を貸すという意味合いが強くなります。企業や個人に対して、金融機関がお金を貸すなどといったイメージが本来でしょうか。こちらは融通に比べると、利子などがはっきりと存在していて、金融機関によって利息の設定も様々です。
このようなことから、一般的には融資のほうが馴染みが深いと言えそうです。『融通』はどちらかというと、国と国との交流や、国と農業や行業とのやり取り。というイメージでしょうか。
近頃では同じような意味で使われていることも多い為、違いがわかりずらくなって来ているかもしれませんね。

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