効率良くお金を集めるには?資金提供時に知っておきたい金融の知識

例えばあなたが新しく事業を始めたいと考えた場合、真っ先に考えることは資金の調達です。先立つものがなければ何も始められません。そこで今回は、会社設立のための資金調達の方法について考えていきます。
会社を新しく作るのであれば、その形態はほぼ株式会社になります。株式会社は文字通り、株式を保有する会社のことです。この株式会社の資本金は、大きく分けて自己資本、株式発行、社債発行、融資の4通りが考えられます。これらを組み合わせて会社のための資金にすると考えるのが簡単でわかりやすいと思います。
一番簡単に資金調達できるのは自己資本分です。自己資本とは言ってみれば、私財のことです。人から借りつのではなく、自分の懐から出したお金や親族から提供してもらった資金のことです。会社の資産の中に占めるこの自己資本の割合を自己資本比率といい、これが高いほど金融機関から融資を受けやすくなります。失われても借金ではないので、単純に自分が損するだけで済むので、最もリスクが少ない資金源です。
次に、株式です。株式とは、ほかに人にお金を出してもらう制度のことで、一番有名な方法です。株(正確には株式証券)を発行してそれを投資してくれる人に売るわけです。そうして、資金を集め、会社の経営が成功した場合、その報酬として配当を与えたり、株価が値上がりした場合はその分の利益を還元することになります。
株式は有限責任という制度が有り、例えば、経営に失敗した場合、経営者も投資者も支払った株式の額以上の負債責任を負いません。つまり、会社が倒産し、借金が発生しても、株の購入者(投資者)は、その借金の返済義務を負わなくて済むようになりました。購入した株式が紙くずになるだけで済むのです。かつて、株式は有限責任ではなく無限責任と言われるものでした。この無限責任とは、会社の負債を株主も同等の義務として負うというもので、要するに、会社が倒産し、莫大な借金があるとき、経営者だけでなく、株主たちにも返済義務が課されたのです。当然そんなリスクを背負い込むのは割に合わないということで、株式を購入する人は非常に少ない状態でした。それを受けて、制度が変わったのです。有限責任では、購入した株式以上の損害を出さないようにしたのです。また、経営者も、発行した株式の返済義務を負いません。そのため、リスクの面では投資者の方が若干高いですが、一度に大量の資金を調達できます。
次に社債発行と融資を見ていきます。この2つは、今までの2つと違い「負債」に分類されます。つまり借金をして、資金を集めるのです。ですが、作って間もない企業の場合、社会の信用もなく、自己資本の足りないことが多いので、この2つに頼ることが多くなります。
先ほど株式は一度の大量の資金を集めるのに適していると書きましたが、例えば貴方なら、設立して間もないよく知らない企業に投資したいとは思わないはずです。なぜなら、もし、その会社の経営が失敗すれば、あなたが出したお金は消えてなくなるのです。そんな危険なことはしたくないと考えるでしょう。
社債と融資は投資家や銀行からお金を返済期間付きで借りる方法です。中でも融資は、経営を行うなら必要不可欠の要素です。銀行の融資は、創業融資制度というものがあり、担保を必要とせず、連帯保証人もいらずに非常に多くの資金を融資してくれます。さらに金利も安く、返済期間も長いので、1から会社を作る場合は、まずこの制度のお世話になるでしょう。同時に民間から資金を集めるために社債を発行して経営を軌道に乗せていき、株式の価値が上げていくのです。

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