こんなバランスシートになってませんか?融資を受けにくい企業の特徴

個人であっても、銀行であっても、融資をしようとする人は、必ず重視する点があります。それは企業の経営状態です。当たり前のことですが、今にも倒産しそうな企業に融資しようとする人はいません。金を捨てたい人は別ですが、普通、融資や出資をする人は資産運用のためにしていることがほとんどです。つまり、出資した企業には成長してもらわなくては困るのです。最低でも、現状の経営状態を維持できるほどでなければ話になりません。
そして、それを判断するのも、投資家や銀行の見る目があるかどうかにかかっているのです。今回は、優れた投資家が、企業を判断するのにはどこを見ているのかについて解説していきます。経営者の手腕や人材といったものは、銀行や投資家には判断することができないケースが多いので、ここでは、書類の面から判断基準を見ていきます。専門的にならないように、わかりやすい点のみに焦点を当てていきます。
まず、真っ先にチェックするのは貸借対照表(バランスシート)、損益計算書、キャッシュフロー計算書の三つです。これら決算書の内容を見て、信頼に足る企業かどうかを見極めるのです。具体的にどんな状態だと融資したくないと考えられるのか紹介していきます。
まず、自己資本比率が低い企業である場合。融資を受けるのが容易になる基準は、約50%が自己資本である場合です。自己資本比率が低いということは、ほかの場所から資金を借りて経営が成り立っている企業ということになります。そんな企業に大金を融資したいと思う人は少ないでしょう。これが何より重要になります。ほかの項目に不安要素が多少あっても、自己資本比率が高ければ、融資を受けられる可能性は非常に高くなります。逆に、決算書が優良に見えても自己資本比率がマイナスである場合、融資を受けるのは非常に困難となるでしょう。とは言っても、起業したての頃は、どうしても自己資産比率は高くなりません。
では、他にどうすればいいのかというと経営が順調であると判断されればいいのです。例えば、貸付け金が非常に少ない、あるいは0である場合。所有している有価証券に含み損が少ない場合。法人税等その他の税金が滞りなく支払われている場合。フリーキャッシュフローの額が大きい場合。これらを満たしている企業は優良企業と判断されやすく、融資を受けやすいとされています。逆に、これらの点に問題がある場合、銀行は融資を渋ったり、投資家は出資を拒否しやすくなります。
いくら優れた人材がいたとしても、資金がなければ、その人材を最大限に生かすことはできません。企業が成功する条件は、適切な人材管理、潤沢な資金、優れた情報分析と先見性、そして、時代に即した事業であることです。資金は企業経営が軌道に乗るまでは非常に重要なファクターです。融資を受けることができるかどうかは死活問題なので、優秀な決算書になるようにすることが大切になります。

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